父の車は半ば強引に処分しました。果たしてこれが良かったのか悪かったのかわかりません。
父は急激に衰えていきました。コロナ禍で緊急事態宣言が発令されたのもあるかもしれません。
2020年の夏の終わりに介護保険の申請をしました。介護支援1ということでした。週に1日ヘルパーさんにきてもらい簡単な掃除と布団干しをしてもらいました。体力的に布団を干すのが辛くなってきたようでした。それと週1回デイケアに通うことにしました。
1年後の2021年には介護度が支援2を追い越して介護1になりました。介護1になったらケアハウスは退去しなければなりません。母のいる介護老人保健施設(老健)に申し込みをしました。いつでも入居可能となりましたが、父は承諾しませんでした。2021年11月の母の葬儀の際には父の足腰はすっかり弱っていて、焼香の際、立つことができない状態でした。
明けて2022年になると、転倒を繰り返すようになり、夜中に電話がかかってくるようになりました。認知症の症状が現れ始めました。
車の運転をやめさせて良かったと安堵していたのですが、「運転を中止することがかえって要介護状態や認知症の発症リスクを高める。」という研究データがあるようです。ご興味のある方は、国立長寿医療研究センター・運転寿命延伸プロジェクト・コンソーシアムのホームページをご覧ください。
どれが正解かわかりません。私はひとりっ子なので私が決めるほかありません。
実家の売却の方も進んでいる中、父はもうケアハウスでのひとり暮らしは困難になってきました。ケアマネージャーさんとも話し合いを進めました。
申し込んでおいた老健側はすぐにでも受け入れ可能でしたが、ゴールデンウィークを挟んだこともあり、一旦ショートステイに入居させました。このショートステイに滞在中に実家売却に係る司法書士さんとの面談が行われました。認知症の症状は出ていたものの、名前や住所も言え、書くこともできました。本当にギリギリセーフといったところでした。
実家の引き渡しと同時くらいに父は母が半年前までお世話になっていた老健に入所しました。
介護施設に入所させたら終わりではありません。父からは頻繁に電話がかかってきました。まだら認知症とでもいうのでしょうか。正気に戻るとなぜ自分が介護施設にいなければならないのか。早くここから出せと。何度も何度も電話がかかってきます。最近少し回数が減ってきましたが。
介護施設ではコロナのクラスターが数回発生し、面会ができない状態が続きました。3月にやっと1度、玄関先での面会ができました。父にしてみれば寂しいのでしょう。
本当に介護施設の職員さんには感謝しかありません。ただでさえ介護の仕事は大変なのにコロナの蔓延が介護の仕事の大変さに拍車をかけております。「ありがとうございます。」この言葉を何度言っても言い尽くせません。